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老化は病気? vol.1 「老化は治療すれば直る?!」 ~あなたは信じますか?信じませんか?~


「歳とったんだからしょうがないね」「歳だね…」

日常よく使われることばですね。


2016年にイギリスの組織論学者であるイギリスの組織論学者のリンダ・グラットン氏が書いた「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」という本は世界中でベストセラーになりました。この本の中で、これからは「人生は100年」と考えて人生設計をしていかなければならないとしたことで世界に衝撃が走り、日本でも健康寿命延伸、人生100年時代が叫ばれるようになりました。そして、2017年に当時の安倍晋三首相を議長として「人生100年時代構想会議」がスタートし、リンダ・グラットン氏はこの会議に唯一の外国人として招聘されています。


2007年に産まれた子供の半分は100歳まで生きる?


人類はかつてないほど長生きするようになり、2007年に産まれた日本の子供の半分は100歳以上まで生きるといいます。

しかし、体が老化して状態で寿命だけが延びることは、より良く生きるようになったと言えるのでしょうか?人生100年時代は果たして幸せなのでしょうか?


ところが、もし「老化」を「病気」として治療することができるようになって、いくつになっても若い体や若い心のままで生きることが可能になったとしたら、社会やビジネス、そして人生はどう変わるのでしょうか?


マウスは治療で若返る!


2014年に驚くべき老化研究が「Nature Medicine」誌に発表されました。18カ月の年老いたマウスと3カ月の若いマウスの血管を接合したところ、若いマウスと繋がったことで、年老いたマウスの脳内では神経細胞間の新しい結合が確認され、痩せた筋肉が増えて血流も増えたことが明らかになりました。つまり、年老いたマウスに明らかな若返りの現象が確認できたという歴史的な研究結果です。

この研究は現在も続いていますが、年老いたマウスに若返りの兆しが見えた原因に関しては、いまだによくわかっていません。


そして、ついに老化は病気となる?!

「国際疾病分類」という、世界保健機関(WHO)が作成している世界共通の病気の分類があります。英語ではICD (International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)と言い、日本の厚生労働省をはじめとした世界各国の保健当局や医療機関、医療関連企業などは、これに基づいて医療行政や医療事業を展開しています。


現在は第10回改訂版「ICD-10」が使われていますが、約30年ぶりに改訂がおこなわれ2019年5月25日に世界保健機関(WHO)年次総会で第11回改訂版(ICD-11)が採択されました。

ゲームにのめり込んで日常生活に支障をきたす依存症が、「ゲーム障害」という疾患として認められたことで世界中の注目を浴びましたので、ニュースなどでご存じの方もいるかもしれません。ちなみに、このICD-11は2022年から運用される予定です。もしかしたら「ゲーム障害」用の薬が開発されるかもしれません。


実は、このICD-11では、疾病を分類するコードを補助する「拡張コード(extension code)」といわれるものに「加齢・老化に関連する(aging-related)」という項目が加わりました。

メインの分類コードではないため、すぐに「加齢・老化」を病気として扱うものではありませんが、一部の疾病については診断書に「加齢が原因による〇〇病」「老化による〇〇病」と書けることになります。

そして、これによって次の改訂では、いよいよ疾病分類コードに「加齢・老化」が加わる可能性が高まったとする医療関係者も決して少なくありません。


アメリカではすでに、加齢によって発症のリスクが増す生活習慣病や慢性疾患に対する予防や治療に関して、加齢や老化に直接アプローチしていくという研究が加速しています。つまり、加齢や老化を抑えることができれば、それに関連する疾患の発症を必然的に抑えることができるということです。

さらに、「ゲーム障害」のように、今まで病気として認識されなかったものが病気として扱われるようになると、その予防や治療のために産・学・官が絡み合うマーケットが誕生し発展するという経済的な側面も見逃せません。

しかめっ面をする日本の医療関係者の顔が目に浮かびますが、これは紛れもない歴史上の事実でもあります。

さて、老化を計る指標の1つは年齢です。我々が日常使うのは1年たてば1歳歳をとるいわゆる暦年齢ですね。

そしてもう一つ注目されるが、加齢に伴うさまざまな臓器の機能や身体機能、見た目などから推定される生物学的な年齢です。「年齢の割に見た目が若い」と言われるまさにその年齢のことで、近年は老化指標として注目され、これを数値化するために世界中で盛んに研究が行われています。


次回はこの生物学的な年齢に関してお話しをしていきたいと思います。​​​​​​​